東京品川にある奥平家墓地について、少し説明する。

品川は旧の東海道の最初の宿場町だった。品川宿。江戸時代の東海道の起点は、お江戸日本橋である。…と、ここから解説すると終わらないので、途中を端折る。

昭和7年に編纂された品川町史がある。この段階では品川町だった。その昭和7年に品川町は、近隣自治体と合併して（旧の）品川区になった。その品川区も戦後、再度合併して今の品川区になった。

江戸時代より前から、おそらく鎌倉時代から「品川」という地名があったらしい。それは「加納」と同じである。宿場になる前からあった地名。その付近の交通の要所だった。

江戸時代の品川宿は三宿から構成され、北品川宿、南品川宿、（そしてもう一つは後年創設）だった。それであのあたりは今でも、南品川と呼ぶ。

南品川には、少し前まで（たとえば）日本ペイントの工場があった。品川は日本の塗料工業の発祥地の一つだそうだ。最寄りの駅は、京急本線（京浜急行電鉄本線）の新馬場駅。新馬場は「しんばんば」と読む。

南品川には、立派なお寺が多くある。そこに奥平家の墓所があった。すぐ隣接するようにして沢庵和尚で有名な東海寺。東海寺は徳川家光に破格の扱いを受けた。細川家の墓所も、奥平家の川向こうにある。その川は目黒川と呼ぶ。ここが北品川と南品川の境界である。目黒川の上流が目黒である。

ここで解説したいのは、東京品川の奥平家墓地である。それは清光院という寺院の中にある。しかしこの清光院というのは、江戸時代には、東海寺の塔頭の一つだった。この面でも、奥平家と徳川（東海寺を寄進した）との関係性が示唆されている気がする（私見）。

その清光院さんの入り口付近の写真。（次回に続く。）